君の想いは僕のもの。
わたしがそういった途端。
「え!?例の奏くんの彼女!?」
「きてるの!どれどれ〜」
(え!?ど、どなたですか!)
「あ〜、最初に喋った方が海で、次に喋った方が陽菜で、2人とも僕の姉ちゃん。それで、そっちの男が陽菜の旦那さんの匠人くんで、甥の優太。土日は毎週遊びにくるんだよね」
わたしがびっくりした顔をしていたせいか、せいちゃんが丁寧に説明してくれる。
「こ、こんにちは……」
「すごい、可愛いじゃない!奏くんの彼女!」
今喋ったのはフワフワした雰囲気の陽菜さん。
「ほんと!人形みたい!名前は!?フルネーム!」
それで、こっちが元気な海さんだ。
2人とも容姿がそっくりすぎてパッと見じゃ見分けがつかない。
「えっと、本田莉華……です……」
「ひゃー!!奏くんが言ってた通りすごい美人さんじゃないの!」
「ほんとね!!奏ってば、可愛い女の子捕まえちゃって、海を越しやがったな?」
奏ってば、わたしのことそんなふうにお姉さんたちに言っていたらしい。