君の想いは僕のもの。
「あはは。やっぱり奏くんにはバレちゃうか……」
そう言って、ひょこっと顔を表したのは陽菜さん。
「やめて、ね?」
「はぁ……。わかったわよ。もうっ!」
すると、テコテコと優太くんがこっちに走ってきた。
「ママ〜?お昼寝する」
優太くんが陽菜さんに抱っこを求めて、寝かしつけてもらい始めた。
「2人とも行きな〜」
匠人くんがわたし達にそう言ってくれた。
「ありがと。……はい、僕の部屋はここです」
「お、おじゃまします……」
奏の部屋は、ものが全然なくて、ベッドに勉強机、そして、たくさんのピアノの楽譜が入った本棚。
「この箱なにかしら……?」
「あ!それは!」
中から、大量のクマのぬいぐるみが出てきた。
「裕也の……ね……」
「うん……捨てるのはダメだと思って封印してたんだよね」
「解いちゃったよね。ごめんなさい……」