君の想いは僕のもの。
“ガチャ”
「あ、きたきた」
「星汰兄〜!!」
せいちゃんの事を星汰兄と呼ぶのは、16年間わたしの弟をしている奴しかいない。
「る、月!?」
「よ!姉ちゃん!」
(え、ええええ!?)
「月、受けてくれてありがとな」
「俺の方こそ声掛けてくれてありがと!」
そう言った2人は仲良さそうに肩を組み合いながらじゃれあっている。
(てかてかてか、なんでよりによって月なの!?)
「会計監査に月って大丈夫なの?」
「大丈夫な事くらい有季が1番わかってるでしょ?」
実はせいちゃんの言う通りなのだ。月は、文武両道って感じの出来るわたしの弟なのである。
「なんで、お姉ちゃんのわたしより弟の方が優秀なのよ…」
(情けない……。かっこいいお姉ちゃんでいたいのに…!)
「姉ちゃんって、俺より下だったっけ?」