君の想いは僕のもの。
:奏side:
《PM 4:30》
2人で映画を見ていたら莉華が僕の手を繋いだまま眠ってしまった。
その間に後夜祭に行くために制服を着ようと思って立とうとしたら、
「奏、どこ行っちゃうの?」
莉華を起こしてしまった。
「ああ、起こしちゃった?制服着ようと思って」
莉華の寝起き姿、たまらなく愛しい。優太みたい。
「じゃあ、わたし出てくね」
「いいよ、そこにいて」
「え、でも恥ずかしいわよ……」
「はい。これで顔隠しときな」
おれはそう言って莉華の頭にブランケットをかぶせた。
「奏の匂いがする……」
なにそれ、ずるくない?急なデレは困る。はやく着替えて莉華を抱きしめたい。
「はい、着替え終わったよ」
「あ、いつもの奏だ」
可愛くニコニコ笑う莉華。やっぱりかわいい。