君の想いは僕のもの。
「あ、そうなのね。」
お姉さんは、わたしに謝ることなく、気まづそうにお店の裏に入っていった。
「有季、気にしなくていいよ。俺が有季の事好きって知ってたのは、あの人に告白されて、有季っていう幼馴染が好きだからって断ったからなんだよね」
「やっぱり、あの人せいちゃんのこと好きだったんだ……」
でも、なんでわざわざ振った人のお店に来るの?せいちゃん、何考えてるんだろう。
「あら、有季ちゃんに星汰じゃないの!久しぶりね」
「理恵さん!元気でしたか?」
「ええ、元気よ。ちゃんと毎日ハープ練習してる〜?」
理恵さんは、わたし達が中学の時まで、ピアノとハープを教えてくれていた先生だ。
「先生、有季は、俺よりもしっかりしてますよ」
「まあ、それもそうね。で、何飲む?」