君の想いは僕のもの。
「みんなでため息してどうしたの?」
「ううん。なんでもないよ。」
せいちゃんがなにかに諦めたような顔でわたしに返事をしてくる。
(どうして、そんな顔するんだろう?わたし何か変なことでも言ったかな?)
「そっか!」
「そうだよ。あ、月。」
「どした?」
「渡辺は?会計の」
「ああ。そいつなら先生に呼ばれたから後で来るってさ。」
「そっか。そういうことならしょうがない。初めてよっか。」
わたしは、渡辺くんのことなんて考えもせずに、ただただせいちゃんの会長姿に見とれていた。