君の想いは僕のもの。




公園の並木道は、紅葉の黄色とオレンジと赤で埋め尽くされていた。



「せいちゃん、綺麗だね。葉っぱひとつ持って帰って押し花にしようかな」



“パシャ”



わたしが油断してるすきに、せいちゃんに写真を撮られた。



「なんで撮ってるの〜!」



いきなり撮られたのが少しだけ嫌で、せいちゃんに少しだけ大きい声で言った。



「有季が可愛くてつい……」



そう言いながらしゅんとするせいちゃん。



うう。だから、そんな顔されたら怒るにも怒れないんだってば!



「せいちゃん、ちょっとこっち来て?」



「ん?」



わたしは、こっちに寄ってきたせいちゃんに背伸びをしながらキスをした。



「有季、いきなりどうしたの?」



驚いた様子でわたしを見つめてくるせいちゃん。



「大好きだよと怒ってないよのキス……です……」



「なんだよそれ、おれのこと殺しに来てるよね」



「へ?」



せいちゃんがいつものニヤニヤ顔をし始めた。
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