君の想いは僕のもの。



「ただいま〜」

「おじゃましまーす」



今日は、わたしの家ではなく、せいちゃんの家に帰ってきた。



「有季、なんか飲む?」



「うん!」



そうして、せいちゃんはオレンジジュースを出してくれた。



「ちょっとわたし着替えてくるね」



「りょーうかい」



「あれ、鍵がない……家の中に忘れてきたかも……」



今日、月はともだちの家に泊まりに行くって言ってたから帰ってこない。



「はぁ……。有季は、おバカさんだな〜」



「うう。ごめんなさい……」



「春花の服じゃ小さいと思うからおれの服貸してあげる」



そう言って、せいちゃんが服を持ってきてくれた。



「ありがとう〜。ちょっと着替えるから目瞑ってて?」



「はいはい」



ちゃんと目を瞑って待っててくれるせいちゃん。やっぱり、優しい。
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