君の想いは僕のもの。
わたしがそう言うと、春ちゃんが月を引っ張っていって、後ろの席に座った。
「じゃあ、俺も後ろ乗るから、有季は、前の席乗って?」
「うん!ありがとっ」
気遣いが上手なせいちゃん。きっと、さりげなくこういうことをするから、色んな女の子にモテちゃうんだよね。
あとで、せいちゃんにお礼しないと。
「ちょっと、お兄ちゃん狭いから!月と春が潰れる!」
「じゃあ、春花が月の膝の上でも座れば?」
「ば、ば、ばかじゃないの!?」
またまた兄妹喧嘩が始まった。
「ちょっと2人とも、ここタクシーの中だから静かに」
そうして、またまた月が喧嘩を静める。