君の想いは僕のもの。
このくだりを何回か繰り返している間に、目的のお店に着いた。
「え、ここって……」
わたし達がご飯を食べるお店は、テレビや雑誌や、スマホのアプリでも取り上げられるくらい有名で、今大人気のお店だ。
「どうしたの?有季」
「な、なんか急に緊張してきた……」
「そんな心配しなくても(笑)。俺の彼女ですって言うだけだからだいじょーぶ」
それが緊張するということに全く気づいていない様子だ。
(せいちゃんは、こういう所だけ少し抜けてるというか……。)
「よし、いつも通りで行こう」
わたしはそう自分に言い聞かせて、お店の中に足を踏み入れた。