君の想いは僕のもの。



このくだりを何回か繰り返している間に、目的のお店に着いた。



「え、ここって……」



わたし達がご飯を食べるお店は、テレビや雑誌や、スマホのアプリでも取り上げられるくらい有名で、今大人気のお店だ。



「どうしたの?有季」



「な、なんか急に緊張してきた……」



「そんな心配しなくても(笑)。俺の彼女ですって言うだけだからだいじょーぶ」



それが緊張するということに全く気づいていない様子だ。



(せいちゃんは、こういう所だけ少し抜けてるというか……。)



「よし、いつも通りで行こう」



わたしはそう自分に言い聞かせて、お店の中に足を踏み入れた。
< 259 / 318 >

この作品をシェア

pagetop