君の想いは僕のもの。
「え?そうなの?」
1.2年生だけが出演するコンサートで、去年はせいちゃんのうちわや垂れ幕が沢山あった。
「そうそう。見てなかったの?」
「何を?」
「有季のファンの子達もいたよ?」
わたしは、驚いて、目を大きく開いた。
「まさかって顔してるけど、そーゆー事なの。わかった?」
「わかっ…た……」
「でも、まあ無理もないか。有季、演奏前急に集中力すごいことになるし」
集中力については、わたしはいつも無意識でやってるみたいで、莉華にはどっかにスイッチでもあるんじゃない?って言われた。
「俺、有季のハープ小さい時からずっと大好きなんだよね」
「ほんとに?ありがと!わたしもせいちゃんのピアノすごく好きだよ!」