君の想いは僕のもの。



「きっと、照れてるだけだって。多分だけど」



「姉ちゃんまで……」



そんな会話をしていたら有奈が戻ってきた。



「はい、月くん。これ、月くんの顔だよ」



その絵には、せいちゃんの後ろをついて回っている月が描かれていた。



なぜそんな絵を有奈が描いたかと言うと、月は今、せいちゃんの付き人をしているからだ。



「有奈、よく見てるじゃん。えらいえらい」



そう言って、春ちゃんが有奈の頭を撫でている。



「まあ、絵をくれただけでもおじさんは嬉しいよ……」



「月くん嬉しくなかった……?」



有奈が泣きそうな顔で月にそう聞く。



「そ、そんな事ないよ!!めちゃめちゃ嬉しい!ありがとう!!」
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