君の想いは僕のもの。



「ほら、だから泣かないの。わかった?」



そう言って、わたしは有奈を抱き上げる。



「うん……」



「もうちょっとで有奈もお姉ちゃんでしょ?」



「うん……」



そう言って、有奈は、目に浮かんでいた涙を拭いた。



“ピンポーン”



「有奈行ってくる!」



「うん、よろしく」



有奈は、コロッと表情を変えて玄関へと走っていった。さすがは、5歳児。元気だ。



「パパ!!!」



どうやら、せいちゃんが帰ってきたらしい。



わたしも、せいちゃんを出迎えるため、玄関に向かった。



「おかえり、せいちゃん」



「有季〜」
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