君の想いは僕のもの。
そう脱力した様な声を発して、わたしに軽くキスをしてくる。
「ちょ、せいちゃん!有奈いるし!」
結婚して、子供が出来てからもせいちゃんは、ずっと変わらずあのままだ。
「いないけど」
「へ?」
「察してくれたんじゃない?さすが俺の娘、有奈ちゃんだ」
自慢げにそう言うせいちゃん。
「それなら、あと1回だけならちゅーしてもいいよ?」
「して欲しいならそう言えばいいのに」
そう言い残して、今度は少しだけ長いキスをした。
「パパー!!」
リビングから有奈がせいちゃんを呼ぶ声が聞こえた。
「戻ろっか」