君の想いは僕のもの。
「は、はい。起きますから!」
「うん。えらいえらい。制服出しとくから準備して?」
わたしは、やっぱりいつまで経ってもせいちゃんには勝てないらしい。
「はーーーい。今日は全部黒にする!」
「りょーかい」
「そーだ。星汰兄、ここ少し指づかい難しいんだけどどうすればいいかな……?」
「えーっと…ここは………………」
(ほんとに仲良しだな〜羨ましい。あーあー、早く帰ってこないかな…。)
「ねえ、せいちゃん。そういえば、はるちゃんは?まだ帰って来れないの?」
「あー、春花?留学長引いただけみたいだからもうそろ帰ってくると思うよ〜」
「ほんとに!やった〜!」
はるちゃんとは、せいちゃんの妹の吉崎春花ちゃんだ。月と同じ歳で、わたし達と同じ音楽科の1年5組に所属している。