君の想いは僕のもの。



「やっぱ、有季のビーフシチューは最高だな。ゴホッゴホッ」



せいちゃんがビーフシチューを一気に食べてむせたりしている。



「ほらほら、そんな焦んなくても……。はい、水」



「ん、ありがと」



そう言って、わたしがあげた水を急いで飲むせいちゃん。喉に詰まったらしい。



「ほんと、あんた馬鹿なんじゃないの?」



莉華のその言葉でみんなが笑う。



「そういえばさ、高3の最初の日のこと覚えてる?」



奏ちゃんがいきなり高校時代の話を始めた。



「なんかあったっけ」



莉華が奏ちゃんの口に付いていたビーフシチューを拭きながらそう言う。
< 311 / 318 >

この作品をシェア

pagetop