君の想いは僕のもの。
「もう、こんな時間。有季帰ろ?」
せいちゃんが自分の腕時計を見ながらそう言った。
「もうちょ…」
「だーめ。どーせ家に帰ってからやるんでしょ?」
「げ。ばれた」
「げ。って…、俺が有季の事で分からないことあると思う?」
「あ、あるに決まってるでしょ!!」
「じゃあ俺、もっと有季の事探検しなきゃだな」
(もう、せいちゃんのばか。そんなこと言われたらドキドキしちゃうじゃん……)
「顔赤いけど大丈夫?帰るよ」
わざとらしくわたしに聞いてくるせいちゃん。
「は、はーーい」
その日は、家に帰ってからもせいちゃんと一緒に夜遅くまで練習をした。