君の想いは僕のもの。
「はぁ……終わった」
ボーッとしていたら挨拶を終えたせいちゃんが戻ってきた。
「中継で見てたよ!すごいかっこよかった〜!」
「ほんとに?」
「え?うん?」
「ありがと」
そういってハグしてきた。心臓がバクバクしてせいちゃんに聞こえてしまいそうだ。
「有季、ドキドキしてるでしょ」
「し、し、してない」
こんな距離にいればバレてしまうにきまっているのに、わたしは無駄な意地をはった。
「あーれー?そうなの?まあ、俺はしてるけど」
“ガチャ”
「「え?」」
「あ、ご、ご、ごめんなさーーい!!!」
聞き覚えのある声の持ち主にハグしているところを見られてしまった。
「春ちゃん!?」
「春花!?」