君の想いは僕のもの。
「追いかけないと!行こ!せいちゃん!」
そう言って2人で走り出した。
あ、あの見覚えのある編み込みに、せいちゃんと同じベージュ色の髪色は、間違いなく春ちゃんだ。
「春ちゃん、みーっけ!」
「ゆ、有季ちゃん!!会いたかったあ〜」
久しぶりに会った春ちゃんは、髪の毛も身長も伸びて、少し大人っぽくなっていた。
それにせいちゃんとの事はあえて聞いてこないみたい。気遣わせちゃってるみたいだ。
けれど、とりあえずは春ちゃんとの久しぶりの再会を味わうことにした。
「わたしも会いたかったよ!なんか泣きそう……」
わたしは、妹のような存在である春ちゃんの成長具合に感動してしまった
「泣かないでよ〜!」
「だってえ〜……」
「おい、春花。俺の有季泣かせたのお前か?」
少しだけ怒った様子のせいちゃんがわたしたちの方に歩み寄ってきた。
「は?違いますけど。てか、俺のって何?」
「俺のったら俺のなんだよ」
なぜか、わたしに関することで喧嘩が始まった。
「意味わかんないんだけど。有季ちゃんは、お兄ちゃんだけの物じゃないし!」
「いや、俺だけのだ。春花なんかにはあげないし〜」