君の想いは僕のもの。
「おふたりさーん、終わったかなー?」
春ちゃんと月が階段から顔をのぞかせてこっちを向いていた。
きっと2人にハグしてたところを見られてしまった。
「ねえ春花、俺の有季可愛いよね」
「可愛い!!でもお兄ちゃんのじゃないよね!?」
「有季はいつかは俺のものになるんです〜」
恥ずかしいからやめて〜!と言いたいけれど、せいちゃんがどんどん強く抱き締めてくるから声が出ない。
「まあまあ、2人とも落ち着けって」
月がそう言って喧嘩が始まるのを防いでくれた。
「それに、もう10時回ってるし2人とも帰ったら?」
「「はーい」」
楽しい時間はあっという間で、せいちゃんと春ちゃんが帰っちゃうのが少し寂しく感じた。
「また明日!2人とも!」
「有季は寝坊しないようにね」
またバカにしたような口調でわたしにそう言ってくる。
「ちゃんとおきますよーだ!」