狼男


「“アンナさんは死なせないように”と頼まれた。だからお前の事は俺が守ってやる。」


「・・・・・・・・・・。」



「だが凶悪犯となれば話は別だ。

さっきも言ったが俺は一目散に逃げるからお前も逃げ遅れるな。」


「・・・・・藪さんって・・カッコいいのかカッコ悪いのかよく分かりませんね・・。」


「ところでお前、免許持ってるか?」


「免許ですか・・?あ、はい一応・・ペーパードライバーですけど。」


「・・・・・・・・・・・。」


「それが何か・・?」


「阿呆。聞いただけだ。」



段々と・・藪さんが運転する車が人気の無い道に入っていく。

なんだか・・刑事ドラマに出てきそうな、

麻薬組織の取引に警察が突入して、
銃撃戦が始まるような・・

そんな無人のコンテナ群が見えてくる。


「9番倉庫で県警と待ち合わせてる。
あとはお前一人で行ってこい。

ターゲットが現れたら県警の指示に従ってこの車まで逃げてこい。」


「了解です・・!」
























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