狼男
「・・・あ、そういえばお伝えするのを忘れていました。
マイアーの死体ですが、
【公安】に引き取って貰いました。」
「!?・・公安・・・まで巻き込んで大丈夫なんですか・・?」
「ご安心ください。
公安に“藪 ケンシン”という男がいます。
私の親戚で、信頼できる人物です。
彼に、ヴァンパイアに関する研究ならびに、
怪人の構造について調べてもらいます。」
「そうですか・・。」
「怪人の何よりの脅威は、[人の姿をして見た目では全く分からない]という事です。
極端な話、昨日今日明日・・道端ですれ違う人々の中に居てもおかしくありません。
もしかしたら今日までの物語の中に、しれっと次回の怪人が登場していたかもしれません。
何か・・見た目で判別できる要素は無いか?
公安に調べてもらいましょう。」
「分かりました。」
「・・・・もう一つ。
君がマイアーを討ち取った時の証言にあった“謎の男”ですが・・
私の方でも詳しく調べましたが、
やはりあの時あのコンテナに近づいた人間は誰もいませんでした。」
「・・・・・そうですか・・・。」
「つまりそれは、正真正銘ヴァンパイアは君一人の力で討ち取ったという事です。
私は素直に嬉しいですよ。」
「はい・・すみませんお手を煩わせて・・。
確かに・・あの時は正直、
死線を彷徨ってて・・・
意識を保つのもやっとの状態だったので、幻覚や幻聴だった可能性もあります・・。」
「次は勝利の美酒に酔えるよう、
怪人を叩きのめしてくださいね。」
「・・・はい・・・・!
・・・玉置ユウマ・・
失った仲間の命も背負って・・
身命を賭して、
BMUの公務にあたります・・!」