狼男


“ブー ブー”


「・・はい、玉置です。」


<ユウマ。少し気になる話を得られた。>


「ホントですか?」


<2件目の藍妃ちゃんのクラスメイトだった子の母親からの証言だ。

どうも藍妃ちゃんに対しても、
妹の蕾媛ちゃんに対しても、

かなりの英才教育を施していたらしい。>


「・・・・英才教育・・・?
・・・・・・!?」


「何個も【習い事】をさせてたってよ。」


「そうか・・まだそっちの線が残ってました。」


<やっぱり何か匂うのは“子供”を通じてのコミュニティな気がする。

立派な家を持って、

パパは大層な趣味を謳歌していて、ママは専業主婦で悠々と過ごしていて・・>


「“経済的に余裕がある”・・
これも共通項でした。」


<俺と山田は1件目も含めてもう少し子供達近辺を洗ってみる。>


「分かりました。ちょうど今、先生達に話を聞いたところなので、

俺は引き続き3件目を当たります。」



鮫島さんとの電話を終えて、
背を向けていた小学校に再び振り返る。


どうする・・また先生・・いや、習い事まで教師が把握しているとは考えにくい。

となると、胸苦しい聞き込みになるが、

クラスメイトの子供達に直接聞いた方がいいかもしれない。

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