狼男
電話を切り終えると・・一緒に聞いていた椿刑事部長と目が合う。
「なるほど・・家庭教師ですか。
うまく取り入って仲良くなれば、
“一緒に夕食でもどう?”と家族ぐるみの付き合いに発展できそうですね。」
「外国人・・だから指紋もDNAもデータベースでヒットしなかった・・!」
「・・・・・・・・・・。」
「すぐに3件目の子供とも繋がっているか裏取ってきます・・!」
お辞儀をして、飛び出すようにして椿刑事部長の部屋を出・・・
「ユウマくん。」
「・・・・・・?」
「私の悪い予感はどんどん“的中”の方向へ進んでいます。
必ずその男を殺してください。
捜査員の誰よりも速やかに突入して、
これ以上の被害を拡大させないように。」
“被疑者を殺す”という点についてはまだ自分の中で納得出来ていなかったので、
何も応えず部屋を出た。