狼男
「小松アンナ。」
「はい・・・。」
「ユカリについて教えてやる。
あいつはタピオカジュース欲しさに俺を2時間も行列に並ばせる阿呆で、
四川料理に七味とタバスコをぶっかける阿呆だが、恐らく日本一の【ハッカー】だ。」
「!!?」
「もしユカリに腹の内を探られたくなかったら、お前もスマホには何も残さないようにする事だな。」
<小松さん安心してください。
仕事以外では手は汚しませんから。>
「・・・・・・・・・・・・。」
「じゃあ帰るぞ。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・何ボケ~っとしてる?」
「これで15回目ぐらいの転職ですけど・・
なんだか・・今までとレベルが全く違う世界なので圧倒されました・・。」
「金に困ってるんならウチで働け。残業代も休日出勤代もちゃんと出してやる。」
「・・ありがとうございます・・。」
<キョウスケ。>
「なんだ?」
<帰りにタピオカとクレープ買ってきて。>
コートを羽織ってラブホテルを出た後、
タクシーを拾った藪さんと一緒に・・
横浜中華街へと向かった。