狼男


―――――― 


「・・・うっし。
残りの皆は周りを固めておいてくれ。

階段室、エレベーター前。裏口。
ネズミ一匹逃がすなよ。」


「「「「「「はい。」」」」」



鮫島さん・・山田・・俺。
3人で階段を昇り205号室の前に立つ。


「「「・・・・・。」」」


いつもなら鮫島さんがインターフォンを押すが、ここは無意識のうちに俺が先頭に立ち、

2人は後ろに位置してもらう。




“ピンポーン”


・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・出ない・・。



“ピンポーン”


・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・不在か・・?



「マイアーさん居ますか?ヤマト運輸です。」


覗き穴を塞いだ状態で声も掛ける。


山田に目配せして耳をドアにつけて音を聞かせて・・

鮫島さんは阿吽の呼吸で、
電気メーターを確認してもらう。



「・・・音はしないっす。」

「メーターも動いてない。
ホントに不在のようだな。」



「・・・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・ユウマ?大丈夫か?」


「あ、はい。」

< 44 / 125 >

この作品をシェア

pagetop