狼男
――――――
「・・・うっし。
残りの皆は周りを固めておいてくれ。
階段室、エレベーター前。裏口。
ネズミ一匹逃がすなよ。」
「「「「「「はい。」」」」」
鮫島さん・・山田・・俺。
3人で階段を昇り205号室の前に立つ。
「「「・・・・・。」」」
いつもなら鮫島さんがインターフォンを押すが、ここは無意識のうちに俺が先頭に立ち、
2人は後ろに位置してもらう。
“ピンポーン”
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・出ない・・。
“ピンポーン”
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・不在か・・?
「マイアーさん居ますか?ヤマト運輸です。」
覗き穴を塞いだ状態で声も掛ける。
山田に目配せして耳をドアにつけて音を聞かせて・・
鮫島さんは阿吽の呼吸で、
電気メーターを確認してもらう。
「・・・音はしないっす。」
「メーターも動いてない。
ホントに不在のようだな。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・ユウマ?大丈夫か?」
「あ、はい。」