狼男
いつもだったら、“クソッ”と悪態をついていたかもしれない。
でも何故か・・今は“不在で良かった”と安堵している自分がいる・・。
「出直しますか鮫島班長?」
「そうだな・・・・いや待てよ。」
気付くな・・鮫島さん・・・。
俺がこの後一人で確認しに行く・・・。
だから・・・閃いちゃダメだ・・!
「マズいかもしれないな。
・・山田、すぐにマイアーが受け持っている子供が他にもいないか調べるぞ。」
「あ!・・ま・・ままままさか!?」
「今この瞬間にも【4件目】の家族に近づいているかもしれない。」
「確かに・・!すぐに調べます!!」
「もしかしたら・・現行犯で逮捕できるかもしれないな。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
「ユウマ?さっきから顔色悪いぞ?」
「・・鮫島さん。お願いがあります。」
「うん?」
「4件目になり得そうな家族が見つかったら、絶対に俺を“魁”にしてください。
俺が真っ先に現場へ飛び込みます。」
「分かった。並行して礼状の準備もしておく。お前が手錠かけろ。」
「ありがとうございます・・。」
第3話 完