狼男
“ピンポーン”
・・・・・・・・・・・・・・
“ドンッ!ドンッ!”
「四谷さん!居ませんか?
神奈川県警の者です・・四谷さん!」
鍵は施錠されている・・。
・・・ぶち破るか・・・・?
「四谷さ・・・!」
“ガチャリ”
!?
扉が開く音・・だがそれは目の前の扉ではなく・・・隣の家・・?
「ありゃ?どうなさったの?」
「すみません、こういう者です。」
俺の声が騒々しかったのか、
様子を見にご主人が顔を出したようだった。
一旦四谷家を離れて、お隣さんの玄関へと走りながら警察手帳を見せる。
「ありゃりゃ?四谷さんなら昨日から家族みんなで旅行行ってるよ?」
「旅行・・ですか?」
「ハワイだったかな・・
ありゃグアムだったかな?
だから四谷さんが飼ってるワンちゃん今ウチで預かってるのさ。」
「・・・・・ご協力・・・
ありがとうございます。」
声が震えるのを必死に抑えながら、
お隣さんへお辞儀する。
すぐに待機していた仲間の皆が慌ただしく車に乗り込み、トランシーバーを手に取る。
一番・・最悪の事態が起こってしまった・・。
一番・・“やめてくれ”と神に願っていた事態となってしまった・・!!
「ユウマ早く!!」
「すぐに池田家へ向かうぞ・・!!
当たりはきっと鮫島班長たちの方だ!!」
「はい・・!!」