狼男
「山田!!しっかりしろ!!おい山田!!」
俺よりも先に、仲間の声が挙がる。
すぐにその声の方向へ・・
キッチンの所に走ると、
拳銃を握りしめたままの・・
虫の息の山田の体が起こされていた。
「山田何があった!?」
「・・ゴホッ・・・ユ・・先輩・・・。」
「もうすぐ救急車が来る。お前は助かる!
だから気をしっかり持て!!」
周りには嘔吐した形跡が無い。
お前はしっかりと・・いつものヘタレを見せずに・・必死に銃を抜いたんだな・・・。
「ユウ・・先輩・・・・・。」
右目は潰れているのか・・残る左目でしっかりと俺の姿を捉えて、
何か口をパクパクと動かしてくる・・。
「・・・ジャナイ・・・・。」
「・・・・・?・・」
耳を山田の口に近づける。
何かを俺に・・伝えようと・・・
「マイアー・・・ハ・・・・。」
「うん・・うん・・!」