狼男


「そもそも・・椿刑事部長は・・

どうして[怪人が存在しているかもしれない]と分かったんですか・・?」


「・・・・・・・・・。」


「先ほどのあなたの言葉を借りるなら、

誰かからそういう情報を聞かされたとしても・・普通は信じません。」


「・・・・・・・。」


「椿刑事部長の情報元はなんですか・・?
どうしてそれを信用したんですか・・?」


「申し訳ございませんユウマくん。
その点については黙秘させて頂きます。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「もしかしたら君に話す時がくるかもしれませんが、

今この段階では誰にも言うつもりはありません。」


「・・分かりました。」


「ご理解ありがとうございます。

では話を本題に戻して・・マイアーが姿を消してしまったのは由々しき事態ですね。

君の鍛錬の時間を稼げるというメリットもありますが、

肝心の奴がどこに現れるか把握しておかないとまたイタズラに犠牲を増やすだけです。」


「その点については俺に心当たりがあります。」


「何ですか?」


「あの時・・奴はエッグタルトを俺の側に置いていきました。」


「確かに現場検証でも確認されていましたね。恐らく横浜中華街で購入したものでしょう。」


「“これを教えてくれたレディにお礼をする”と・・奴は俺にそう言いました。

もしかしたら奴はその女性を探しているのかもしれません。」


「分かりました。ではこちらも、
横浜中華街中心に情報を集めておきます。

君はその間、死ぬ気で努力してください。」


「・・・・はい・・!」
























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