狼男
「“近親相姦”ってちょっとアンナさんが好きそうなイヤらしい単語ですね。」
「え・・いやいや!!
私はイヤらしい女じゃないです・・!!」
「結婚後は“3人の子供を作る”のが両家に代々伝わる掟です。
藪家・・男、女、女
椿家・・男、男、女
次の世代は、
藪家・・女、男、男
椿家・・男、女、女
これを繰り返していくことで二族繁栄を続けています。」
「なんだか・・すっごく親戚が多そうですね・・。」
「はい。全国に散らばっている“藪”、“椿”の苗字を持つ者は、
私かキョウスケの家族もしくは親戚だと思って頂いてもいいぐらいです。」
「性別を産み分けることが出来るんですか・・?」
「その質問に答えようと思うと、
アンナさんが大好きなドギツイ下ネタになりますが大丈夫ですか?」
「いやいやだから・・!!
私はそんな卑猥な女じゃないです・・!」
「そうやって私もキョウスケも、
それぞれのお家で生まれました。
私には2人の兄がいて、
キョウスケには2人の妹がいる。
私はその代の椿家の末子として、その代の藪家長男のキョウスケの元に嫁ぎました。」
「え・・じゃあ・・やっぱりご夫婦・・?」
「籍は入れていないので、
戸籍上はまだ従兄妹です。」
「入籍しないんですか・・?」
「キョウスケが“阿呆。煩わしい”と言って頑なに拒むので。
両家にとって前代未聞の展開のようで、
私達は度々お叱りを受けてます。」