☆表の顔と裏の声★
病院の帰り、送ってくれると言った裕也の車に乗り、運転する裕也をチラチラ見ていると、

「どしたー?」

「フフ…」

「何笑ってんだー?」

いつも私をからかい、ちょっと強めに意地悪をしてくる裕也の、心の奥にある脆い部分が見えた気がした私は、弱みを握った気分になり思わず頬が緩んでしまう。

「……ぁ…き、む……し」

「泣き虫ー!?ちょっと声が出るようになったからって言いたい放題だな。もっといじめてやろーかー?」

「ぃや…!」

「ふふっ」

「ん?」

「七海の声やっぱり可愛いなと思って」

「…ぃじ、わ…ぅ?」

「いや、これは意地悪じゃないよ」

急に真剣に言われると、私は我慢できずに
照れてしまう。

そして裕也は私の顔を赤くしようと、頭を優しく撫でてきた。

やっぱりこの人は、意地悪カウンセラーだ。

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