☆表の顔と裏の声★
「俺の母親も……自殺したんだ」

裕也の言葉を聞いて、私の体は萎縮し裕也の胸に顔を埋めると、背中に回した腕にぎゅっと力が入るのがわかった。

「どうしてだろうな…」

「…だか、ら……きこぇる、の?」

「そうかもなぁ。いつもニコニコしてるくせに、本当は全然笑ってなくて……悲しいフリして本当は物凄く恨んでて」


恨んでて!!


これだけは絶対にバレないと思っていた
バレてはいけないと、思っていた……


私は、両親を恨んでいる。


怖さで体はみるみる震え、裕也の体を両手で押して必死に離れようとするけれど、それ以上の力で私を捕まえておこうとする。

「こら、逃げるな」

「…だっ、て……」

「好きでもない女に、こんな事すると思うか?」

「ぉやを、ぅらむ…よぅな、わたしは、ひどぃ…」

「好きだよ。七海」

はっきり聞こえた裕也の声で、私は逃げようとするのをやめゆっくり顔を見上げると、全てお見通しの目で私を捕まえたまま、裕也の唇は私の唇に優しく触れた。



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