☆表の顔と裏の声★
私は声が出るようになった事を、2人に内緒で会う約束をした。

待ち合わせ場所に早めに行って先に待っていると
遠くからでも2人の姿はすぐに分かった。
だってずっと一緒に戦って生きてきた家族みたいなものだから。

私を見つけ大きく手を振り近づいて来たのを見て
私は2人の名前を呼んだ。

「れい!!蓮!!」

すると2人はその場で固まり驚愕した表情で私を見ている。

狙い通りの反応に私は心から笑顔が溢れると、
ようやく動き出し急いで目の前まで来た。

「七海!!!声出るようになったのか!?」

「うん。蓮、久しぶりだね」

「……ぅ…七海の声、凄く……可愛いょ」

「れい、泣かないで。2人とちゃんと会話出来るの、初めてだね。」

「そう言われるとそうかもな、ハハ!」

「はじめまして、青木七海です。これからも
よろしくね」

ペコッと頭を下げる私をれいはハグして泣きながら喜び、何度も頷いていた。
< 115 / 118 >

この作品をシェア

pagetop