☆表の顔と裏の声★
最初の出逢い
状態が落ち着いていた蓮とれいは、病院のカウンセリングを休止していたけれど、蓮はお母さんの家から逃げ出したあの事があってから、またカウンセリングを再開していた。

私と蓮は施設の先生に連れられて久しぶりの
病院受診。
すると2人きりの待合室で蓮は突然話し始めた。

「…あの日、家に帰った時…俺の母さんに電話がかかってきて、すぐに男だってわかってさ……
俺、嫌な目で母さんの事見たんだよ」

蓮の顔が哀しかった。

「自分の母親が男と付き合うとか…そういう事してるのかとか考えたらなんか気持ち悪くなって…
母さんが俺を叩いてしまいたくなるような目をした、俺が悪かったんだ…」

苦しかった想いを私に話してくれて、
蓮の辛さは私にも伝わって………
でも、同時に私も思い出してしまった。

親がそういう事…………
私の上に、無理矢理跨がる…お父さんの姿を。

「…はぁ、はぁ……ぅ゛……」

「七海!?どうした!?ごめん、大丈夫!?」

蓮は、息が苦しくてうずくまる私を抱きしめて
助けを呼んだ。

「先生!!誰か、早く来て!!」


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