☆表の顔と裏の声★
施設に帰るとれいはすぐに私達の異変に気付く。

「2人とも疲れた顔して、大丈夫~??」

「病院はやっぱ疲れるわぁ……」

蓮はれいと会話をする余裕もなさそうに、
一言口にして真っ直ぐ部屋に入ってしまった。

私は心配そうな顔をしているれいに、ニコニコ
しようとしたけれど、さっきのあの人の言葉を
思い出す。


人の為に、無理に笑わなくてもいいんだよ…


(れい……ごめん。今は、ニコニコ出来ない)

私もれいの顔を見れないまま真っ直ぐ部屋に行きドアを閉めると、また涙が溢れてきた。

人の為に笑うことも出来なくなったら、
大事な友達との繋がりも、崩れていきそうな
気がして怖かった……

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