☆表の顔と裏の声★
診察の後カウンセリングルームに入ると、
カウンセラーの先生の隣に裕也がいるのが見え、
私はドアを開けたまま立ち止まってしまった。
「ぁ!驚かせてごめんね、今日は実習生さんも
一緒だけど、いつも通りで大丈夫だからね」
(またあとでって、こういう事だったんだ)
私は恐る恐る椅子に座り、またじーっと裕也を
見つめて思った。
(私の声が、聞こえるのかな…)
すると裕也は、
「七海ちゃんの声が、聞きたいな」
真っ直ぐ私を見てそう言うと先生は焦っていた。
「八嶋さん、七海ちゃんは失声症なの分かってるでしょ!急にそんな事言ったりしちゃ、」
「……ぁ゛……ぃ…ぅぁ………ゅ、…ぅ…ぁ゛…」
(私の声を、聞いてほしい…)
そう思いながら私は必死に口と喉を動かし、
一瞬だけど微かに声が出て、焦っていた先生は
口を開けて驚いていた。
けれど裕也は何故か得意気に微笑み、
「そう。僕の名前は、やしまゆうやだよ。」
私の言葉を聞き取ってくれていた。
その瞬間私は裕也に本物の笑顔を見せた。
カウンセラーの先生の隣に裕也がいるのが見え、
私はドアを開けたまま立ち止まってしまった。
「ぁ!驚かせてごめんね、今日は実習生さんも
一緒だけど、いつも通りで大丈夫だからね」
(またあとでって、こういう事だったんだ)
私は恐る恐る椅子に座り、またじーっと裕也を
見つめて思った。
(私の声が、聞こえるのかな…)
すると裕也は、
「七海ちゃんの声が、聞きたいな」
真っ直ぐ私を見てそう言うと先生は焦っていた。
「八嶋さん、七海ちゃんは失声症なの分かってるでしょ!急にそんな事言ったりしちゃ、」
「……ぁ゛……ぃ…ぅぁ………ゅ、…ぅ…ぁ゛…」
(私の声を、聞いてほしい…)
そう思いながら私は必死に口と喉を動かし、
一瞬だけど微かに声が出て、焦っていた先生は
口を開けて驚いていた。
けれど裕也は何故か得意気に微笑み、
「そう。僕の名前は、やしまゆうやだよ。」
私の言葉を聞き取ってくれていた。
その瞬間私は裕也に本物の笑顔を見せた。