☆表の顔と裏の声★
気付くと私はベッドの上。
腕には点滴が刺さっていて……
事件の後の光景とよく似ていた。
けど今は、生きていると理解出来る。

「七海、大丈夫か?」

何故なら、蓮が私の手を優しく握っていたから。

「俺がいるから安心しろ」

蓮の声と手の感触に安心しながらも、
そばにいてくれるからといって頼ってしまう
自分に罪悪感を感じていた。
それに、違うの……
私がそばにいてほしいのは、蓮じゃない。

「ご…めん…ね」

「大丈夫。七海が無事で本当良かった…」

私のごめんねの意味を感じ取ったかもしれない。
蓮はしばらく下を向いたままお互い何も言えずに
時間だけが過ぎていった。




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