☆表の顔と裏の声★
退院して久しぶりの登校。
励ましてくれる言葉に軽く頷きながら、
2人の間にどこかぎこちない雰囲気を感じた

「大丈夫!私達が付いてるから!……ね?…蓮!」

「ぁ、あぁ……そうだよ。担任も変わったし、
七海は今まで通りで大丈夫…」


私が入院中、蓮とれいは昔話をしていたらしい。

「れいが初めて施設に来た時の事、覚えてるか?
1人で泣いてる俺の事見て、笑ってたんだよ。」

「覚えてるよ。私の両親が死んで1人で凄く悲しくて不安だったのに、同じように悲しそうに泣いてる子がいたから、一緒に泣いたらもっと悲しくなると思って…それで笑ったんだよ」

「あの時、れいがすっごいお姉さんに見えて…
あれからずーーーっと頼ってばっかりだったな」

「蓮が頼りないから私が守ってあげないとって、
勝手に思ってただけだよ……」

「まぁ確かに、頼りないし鈍感だし…
れいがずっと想っててくれてたのも気付かなくて
……ごめんな。」

「謝るって事は……」

「いや!だってずっと一緒にいてずっと友達だと思ってたんだから、急にそんな風に見れるかって俺にもわかんないけど…でも、これから先も
ずっと一緒にいたいとは……思ってるよ」

「ふーん……」

「ふーんってなんだよ!真剣に言ってんだぞ!」

「じゃあ……期待して待っててあげるよ。」

「待っててあげる~?俺の事好きなくせに
ずいぶん偉そうだなぁ」

「ちょ、ちょっと!みんなの前でそういう事
言ったりしないでよ!?」

「ど~しようかなぁ~」

「本当に怒るからね!!」

「ハハハ!!怖っ!!」
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