☆表の顔と裏の声★
私達の傷が癒える日がくるのかは誰にもわからなくて、ただただ毎日を必死に生きていた。

幼い頃に受けた衝撃的な出来事は、人の一生を
変えてしまう。

だけど私は、蓮とれいに出会えたおかげで
支え合って慰め合って今までやってこれた。

そして私達は高校を卒業すると施設を出て自分達で生きていく事になる。

「七海、図書館に就職決まったんでしょ?」

「ぅん。」

「いやぁ~良かったよ。れいもバイト先に就職決まって3人とも一安心だな」

【けど私2人みたいに働いたことないから不安だし、障害枠でどうにか入れただけだから】

「それでもラッキーだと思わなきゃ!七海には
図書館の雰囲気合いそうだし、何とかなるよ!
でもこの中で1番勉強してこなかった奴が進学するとは思わなかったよね」

「ぅん。フフフ」

「失礼だなぁ~やれば出来るって言っただろ!
母さんがさ、父さんが亡くなった時のお金、
俺のために取っておいてくれたらしくて。」

【感謝しなきゃね】

「そうだな…」

私達は、それぞれの道を歩き出す。

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