☆表の顔と裏の声★
再会
仕事中に困る事が1つある。それは……

「すみません、探してる本が見つからなくて…」

急に話しかけられる事。

「ぁの……」

私は焦りながらメモを取り出そうとしていると、どこからか聞き覚えのある声が耳に入った。

「何かお探しですか?よければ僕が案内します」

パッと振り返るとそこには、裕也がいた。

「…ぇ!」

そして裕也は本の場所まで案内した後すぐに
私の所へ戻ってきた。

「七海ちゃん。久しぶり」

(また会えるなんて……しかも私の事、覚えててくれたんだ!)

私は初めて会った時と同じようにじーっと裕也を見つめていると、

「ちゃんと覚えてるよ。フフッ」

(また私の声が、聞こえてる!)

「七海ちゃん仕事何時まで?終わったら時間ある?」

驚いたままの私は、真っ直ぐ裕也を見ながら
手をパーに開いて見せた。

「5時ね。じゃあそれまでここで本読んでるから、終わったら来てくれる?」

私は手をパーにしたまま2回頷いた。

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