☆表の顔と裏の声★
裕也は黙って私の返事を待っている。
私はゆっくり指を動かしてメッセージを打ち、
返信してみた。

【どうして?】

やっと顔を上げて隣を見ると、裕也はまた何か
メッセージを打ち、すぐに私のスマホに届いた。

【似てるからかな】

【どこが?】

【教えな~い】

隣からクスッと笑い声が漏れたのが聞こえて、
私もつられて笑ってしまった。

「フフッ…」

【俺がカウンセリングしてやる。七海の声が出るようにしてやるから】

メッセージを読むと、私の笑顔は消えて指も止まってしまった。

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