☆表の顔と裏の声★
「無理しなくていいですよ。
前も同じだったと思うけど、ここでも臨床心理士のカウンセリングや言語訓練も出来るから、ゆっくり始めてみようか?」

ここまで来て嫌とは言えず……

「…はぃ」

私は診察の後、あのカウンセラーがいる部屋へ
案内されてドアを開けると、なんだかいつもと
雰囲気が違う裕也がいた。

「お疲れさま。診察どうだった?」

私は電子メモとスマホを両手に持ち、裕也を見ながら首を傾げる。

「カウンセリング中はメモにしようか」

やっぱり少し冷たい感じの言い方…

【前の主治医のご主人だって聞きました】

「そう。男の人に少しずつ慣れるように
熊谷先生に診察お願いしたんだ。話は出来た?」

【あまり】

2人の間に少しの沈黙が流れる…


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