☆表の顔と裏の声★
(熊谷先生と話が出来なかったから、
怒ってるの?何…この沈黙)

「……」

「……俺には七海の声が聞こえるって言ったの覚えてる?」

「はぃ…」

「七海の事は全部知ってるよ。黙ってても、メモに書かなくても。」

「……」
(全部って…)

「事件の事も。」

裕也の言葉に驚愕した私の顔は徐々に哀しい表情に変わり、そのまま涙が止まらなくなっていた。

「…ぅ゛…ど、ぅ…し、ぇ…」

「どうしてって……七海の声が聞こえるからだよ」

さらに涙が溢れる私は声を漏らしながら泣いていた。

「知られるのが怖かった?」

「……ぅ…ゃ、めて…」

「俺に嫌われると思った?」

「…はぁはぁ、ぅ゛……もぅ、やめて!!」

意地悪で、いつもより強めの裕也に耐えられなくなった瞬間、耳を塞ぎながら驚くほどの大きな声を出していた。

すると意地悪なカウンセラーは、私の手を耳から離し優しく握ってきた。

「大丈夫、大丈夫だよ。」




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