吐息



そうだ。


私……すごく……すごくーー。


「怖かっただろ。よく頑張ったね。だから……俺の前では我慢しなくていい」


震える私の手を握りしめる飛鳥さん。


ーー我慢しなくていい。


と言ってくれたことや、私のすべてを理解してくれたことが嬉しすぎて、私はもう無理だった。


「ぅ……ぅ」


こぼれ落ちる涙。


ポタリポタリと落ちていく。


怖かった。本当はとてもーー。



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