吐息


カーテンの隙間から覗く外の景色は、真っ直ぐなほどに黒くて、半分に欠けた月がやけに鮮明に見えた。


私たちは、今こうしてふたりの時間を刻んでいる。


デリヘル嬢とボーイ。


普段は、殺伐とした世界に身を置く私たち。


この穏やかな雰囲気に、私たちは不釣り合いかもしれない。


……けど、それでもーー。



お互いに見つめ合う。

交錯する視線。


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