吐息


「……」


「……」



愛を言葉で紡ぐ必要も、その行為を望むかの確認も、必要なかった。


どちらからともなく、私たちは顔を寄せていき、唇を重ねた。


「ん……」


甘い吐息が吹きかかる。


「は……ァ」


部屋の中に響くキスの音。


チュ……クチュ……。


いやらしさを帯びたリップ音に、冷めていたはずの私の身体が熱くなっていく。


「あ、すか……さ」


彼の舌が入ってきた。



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