吐息


深夜1時まで私たちは一緒にいて、それからホテルを出るとタクシーに乗った。


先に私のアパートまで送ってくれて、そこで、彼と別れた。


久しぶりのひとり。


いつもは何てことないのに、無性に泣きそうになった。


くっと涙を堪えると、私はシャワーを浴びて眠りについた。


深い眠り。


大丈夫。


朝起きたら、とりあえず飛鳥さんに電話しよう。


彼の声を聞いたら、きっと元気になれる。


大丈夫……。


でも、そう都合良くはいかなくて。


朝目覚めると、すぐに飛鳥さんに電話した。


けど、彼が出ることはなかった。

< 127 / 176 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop