吐息




飛鳥さんがいなくなって、丸3日経った。







連絡が取れなくなって、すぐさま社長の真咲さんに彼のことを訊いたけれど、あいつは気まぐれだから、と適当にいなされた。



ついでにキツい口調で言われた。



「それより、どんどん働けよ。今日も予約がたくさん入ってるぜ」





休む間もなく、お客のもとへ行った。



たくさんたくさん働いた。







お店でアリアさんとも会った。



「こないだは、ごめんね。悪ふざけが過ぎちゃった」



笑って言われた。



まるでちょっとしたイタズラだったかのような口ぶりだった。



真咲社長も隣にいて、反省してるみたいだし許してやってほしい、と頼まれた。



もちろん、了承するしかなかった。



アリアさんは、お店で1番の稼ぎ頭だ。



普通じゃ許されないことも、彼女なら許される。





大丈夫です、と作り笑いを浮かべると、アリアさんも満足そうに言った。





「そう。なら、よかった」



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