吐息
翌日、彼女の家へ行った。
人気ナンバーワンのアリアさんのマンションはとても素敵。
最上階の高級マンションの一室。
億ションの部屋へ足を踏みいれると、そこは別世界。
窓から見えるその景色は、煌びやかなネオンで満たされ、そこは高級なホテルのバーを思わせた。
「素敵ですね」
「素敵でしょう? 自慢の家なの。うふふ」
彼女が、ポケットから小さなドラックケースを取り出して、その中にある薬を一錠、口に運ぶ。
「あなたも一錠どう? ぶっとぶわよ?」
遠慮しますと答えると、アリアさんは眉を下げた。
「あらそう。冒険しない人間はクズね。うふふ」
ヨダレを垂らして心地良さそうな人を見た事がある。
そんな人間になりたくない。
昔からそう思う。